ねこ館長日記

一茶と善光寺④「戒壇巡り」

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かいだんの穴よりひらり小てふ(ちょう)哉 七番日記 文政元年

 善光寺本堂内の階段をおりて、くらやみの中を進み、瑠璃壇の下をめぐる「戒壇巡り」。ご本尊の真下にある錠前にさわると、極楽往生が約束されるといいます。これを一茶は俳句にしました。

 図は『二十四輩順拝図会』内の「善光寺朝参りの図」の一部で、戒壇の入口の様子が描かれています。枠内には「かいだん廻(めぐ)り」と記されています。同図会は、享和3年(1803)、一茶41歳の頃刊行されており、現在の戒壇巡りとあまり変わらない様子だったことがうかがえます。

 しかし、天保2年(1831)作の『北国一覧写―越後・信濃・上野・武蔵』には、本堂の軒下、つまり屋外の入り口から直接入って戒壇巡りをする様子が描かれており、また、現在の戒壇は昭和5年に改造されたものと言われているため(長野市史より)、一茶が目にした戒壇巡りがどのような姿であったのかは、はっきりしません。