ねこ館長日記

一茶と善光寺⑧「藤屋御本陣」

藤屋

心からしなのゝ雪に降られけり 文化句帖 文化四年

 藤屋は江戸時代前期の慶応元年(1648)創業で、北国街道善光寺宿の本陣を務めた格式高い旅館です。

 文化4年(1807)11月4日、父の遺産交渉のため帰郷した一茶は、柏原に入る前に藤屋に一泊。翌日柏原に入りますが、遺産相続をめぐる確執から村人に冷たくあしらわれ、この句をよみました。

 江戸への帰路、頼みにしている門人滝沢可候に会いに行き、連れだって可候の弟、大門町の柯尺宅(こちらを参照)に泊まりました。翌日、傷心の一茶をなぐさめるためか、可候は10㎞もはなれた南原(川中島)まで一茶を送ってくれました。